利上げで変動金利の借入はいつから上がる?種類別の目安と契約書の確認点

日銀が9月に利上げし、大手行などの短期プライムレートも11月に上がります。では、すでに借りているお金の金利は、いつから上がるのでしょうか。

答えは「借入によって違う」です。決め手は「何に連動しているか」×「いつ見直すか」の2つ。以下は一般的な傾向で、最終的には一本一本の契約で決まります。

借入の種類別・上がり始める時期の目安

三菱UFJ銀行と七十七銀行は11月2日、三井住友銀行は11月9日に、短期プライムレート(銀行が短期の融資で使う基準金利。略して短プラ)を0.25%引き上げます(経緯は9月後半のニュースまとめ)。

借入の種類金利の決まり方上がり始める目安
証書貸付(契約書を交わして分割で返す借入)短プラ改定後最初の利払日(または金利見直し日)から
手形貸付(手形を差し入れて借りる短期の借入)短プラ次の書替え(借り直し)から
当座貸越(枠の中で自由に出し入れする借入)短プラ改定日から即時が多い(契約による)
市場金利連動(TIBOR=銀行間で短期資金を貸し借りする市場の金利)TIBORなど次の見直し日から。短プラの改定を待たず、11月より前に上がることもある
日本政策金融公庫原則固定(一部の制度を除く)契約時の利率が完済まで続く固定なら、既存分は上がらない。10月1日の改定は新しい借入に適用
信用保証協会付きの制度融資固定が多い固定なら上がらない。変動型もあるので契約で確認

※一般的な傾向で、実際の時期は契約で決まります。三井住友銀行・七十七銀行も、新しい短プラは新規の借入や利払日等から適用すると公表しています。

前取りか後取りかで、見える時期が1回ずれる

同じ利払日に新金利へ切り替わっても、一般に前取り(これから先の期間の利息を先に払う)ならその日の支払いから増えます。後取り(過ぎた期間の利息を後で払う)なら、増えた利息が見えるのは次の支払いからです。

事業性の融資は、上がった利息がそのまま返済額に乗る

住宅ローンのような5年ルール・125%ルール(後述)は、事業性の融資には通常ありません。元金均等返済(毎回の元金は一定で、利息を上乗せして払う方式)が一般的です。0.25%上がると、残高1,000万円で年約2.5万円、1億円で年約25万円の負担増です(残高が一定と仮定した単純計算)。

確認するのは、契約書の金利条項

連動先や切り替わる時期は、返済予定表ではなく、金銭消費貸借契約書(借入の契約書)や手形貸付・当座貸越の約定書の金利条項に書かれています。

金利条項で確認する4か所
  • 基準金利:短プラ・TIBOR・固定のどれか
  • 上乗せ幅:基準金利に何%足しているか
  • 金利見直し日:利払日ごとか、年に何回か
  • 利息の払い方:前取りか後取りか

銀行から届く「金利変更のお知らせ」と突き合わせれば、いつから・いくら増えるかが見えます。同じ銀行でも、借入1本ごとに条件が違うことはよくあります。

補足:住宅ローンの変動金利

多くの銀行では、金利は半年ごと、返済額は5年ごとに見直し、新しい返済額は前回の1.25倍までです(5年ルール・125%ルール)。元利均等返済(毎回の返済額が一定の方式)の場合の仕組みで、元金均等返済には適用されません。

返済額が同じでも、利息が増えたぶん元金の減りは遅くなり、金利が大きく上がると、利息が返済額を上回る「未払利息」が出ることもあります。このルールを採用していない銀行や、見直しの基準日が異なる銀行もあるため、契約で確認しましょう。

まとめ

上がる時期を決めるのは「連動先」と「見直し日」で、答えは契約書の金利条項にあります。11月の改定前に借入ごとの4か所を確かめておきましょう。借入全体の考え方は資金調達ガイドで整理しています。

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