フードバンクへの食品寄附は損金になる?寄附金・廃棄損・広告宣伝費の違いを整理

企業がフードバンクに食品を提供した場合、税務上「寄附金」「廃棄損」「広告宣伝費」のどれに該当するかで損金算入の扱いが異なります。実務判断のポイントを整理します。

企業のフードバンクへの食品提供が社会的に注目される中、税務上の取扱いが実務上の課題として浮上しています。「寄附金」「廃棄損」「広告宣伝費」のいずれに分類されるかによって、損金算入の扱いが大きく変わるからです。


原則:フードバンク提供は「寄附金」に該当

法人税法37条に基づき、事業に直接関係のない者への無償の資産提供は「寄附金」として扱われます。

寄附金は損金算入に限度額があります。資本金等の額と所得金額に応じた計算式で上限が決まり、超過分は損金不算入です。多くの中小企業では、寄附金の損金算入可能額は限られています。


例外①:「廃棄損」として認められる場合

以下の要件を満たす場合、フードバンクへの提供を「廃棄損」として全額損金算入できる可能性があります。

  1. 廃棄予定品をフードバンクが回収する場合
  2. 転売禁止などの合意書により、食品の使途が確保されている場合

ポイントは「もともと廃棄する予定だったもの」であることです。賞味期限が近い、過剰在庫など、廃棄が見込まれていた食品をフードバンクに提供する場合に適用されます。


例外②:「広告宣伝費」として認識される場合

フードバンクへの提供が企業イメージの向上やCSR広報として客観的に認められる場合、広告宣伝費として全額損金算入が可能です。

例えば、プレスリリースを発表した、自社ウェブサイトで活動を公開した、など対外的な広報活動と一体として実施されている場合が該当しやすいです。


3つの分類の比較

分類損金算入主な適用条件
寄附金限度額あり原則(上記に当てはまらない場合)
廃棄損全額廃棄予定品+転売禁止合意書あり
広告宣伝費全額対外広報目的が客観的に認められる

実務上の注意点:名目ではなく実態で判断される

3つの分類は、会計処理の名目ではなく実態で判断されます。

「広告宣伝費として処理したが、実際には広報活動は何もしていない」という場合は、税務調査で寄附金に修正される可能性があります。

実務では以下を整備しておくことが重要です。

  • 社内ルール・規程の整備:フードバンク提供に関する基準を文書化する
  • 合意書の作成:フードバンク団体との間で転売禁止・使途確認の書面を交わす
  • 提供目的の明確化:廃棄予定品か、CSR広報目的かを事前に整理する

まとめ

フードバンクへの食品寄附は社会的意義の高い活動ですが、税務上の扱いを正確に把握しておくことで、社会貢献と税務合理性の両立が可能です。

  • 原則は「寄附金」(損金算入に上限あり)
  • 廃棄予定品+合意書があれば「廃棄損」として全額損金算入可
  • CSR広報と一体なら「広告宣伝費」として全額損金算入可

取り扱いに迷う場合は、事前に専門家へご相談ください。