2025年4月、何が変わったのか
— Three Key Changes —
監査制度
従来の「助成法監査(補助金監査)」に加え、改正私立学校法に基づく「会計監査人による監査」が新たに導入されました(初回適用は2026年3月期決算から)。
会計基準
学校法人会計基準が改正され、計算書類の構成が変わりました(内訳表の整理、セグメント情報の新設など)。
目的
会計基準の位置づけが助成法から私立学校法へ移り、目的が「補助金の適正配分」から「ガバナンス強化・情報開示」へと広がりました。
1. 2つの監査制度 ― どちらが必要かを見極める
学校法人の会計監査には、目的の異なる2つの制度があります。法人の規模・補助金額・所轄によって、どちらの対象になるかが決まります。
| 助成法監査(補助金監査) | 会計監査人監査(2025年〜) | |
|---|---|---|
| 根拠法令 | 私立学校振興助成法 第14条第3項 | 改正私立学校法(2025年4月施行) |
| 主な目的 | 補助金の適正な使用の担保 | ガバナンス強化・ステークホルダーへの情報開示 |
| 対象法人 | 経常費補助金の交付を受ける学校法人(年間1,000万円以上が目安) | 大臣所轄法人(全て)/一定規模以上の知事所轄法人 |
| 監査の担い手 | 公認会計士 または 監査法人 | 会計監査人(公認会計士 または 監査法人) |
両制度の関係
2025年度からは、助成法監査に加えて会計監査人制度による監査が始まりました。会計監査人を設置する法人では、両監査を一体的に実施できます(同一の会計監査人が両方を担い、監査報告は同日付で発行されます。別個の監査を二重に受けるわけではありません)。
2. 貴法人はどの監査の対象か(判定の目安)
| 区分 | 会計監査人の設置義務 |
|---|---|
| 大臣所轄学校法人 (大学・高専を設置) | 原則すべての法人に設置義務があります。 |
| 知事所轄学校法人 (高校・幼稚園等) |
次の2つをともに満たす法人に設置義務があります。 ・経常的な収入が10億円以上、または負債が20億円以上 ・3以上の都道府県で学校教育活動を行う(広域通信制高校を含む) |
| 上記以外の 知事所轄学校法人 | 会計監査人の設置義務はありません。補助金を受ける場合は、従来どおり助成法監査(補助金1,000万円以上が目安)の対象となります。 |
※ 補助金1,000万円未満で所轄庁の許可を得た場合は、助成法監査が免除されることがあります。設置義務・免除の最終的な判定は、所轄庁の取扱い・最新の告示等によります。具体的な該当性は無料相談にて確認いたします。
3. 改正された学校法人会計基準のポイント
内訳表の整理
資金収支内訳表などは計算書類から外れ、所轄庁へ提出する書類として位置づけが変わりました。
セグメント情報の新設
学校・事業部門ごとの財務情報を開示する仕組みが加わりました。
計算書類の継続
資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表は引き続き作成します。
位置づけの変更
会計基準が助成法から私立学校法へ移り、情報開示の役割が強まりました。
内部統制の整備
会計監査人を設置する法人には、内部統制システムの整備・運用が求められます。
4. 作成・監査対象となる書類(2つのパターン)
作成すべき書類と会計監査の対象は、法人の区分によって異なります。代表的な2つのパターンで整理します。
会計監査の中心となる計算書類等
| 書類 | 大臣所轄法人 〔会計監査人設置・助成金受給〕 | 知事所轄法人 〔会計監査人なし・助成金受給〕 |
|---|---|---|
| 資金収支計算書 | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/助成法監査 |
| 活動区分資金収支計算書 | 作成必須/会計監査人監査 | 省略可(作成時は助成法監査) |
| 事業活動収支計算書 | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/助成法監査 |
| 貸借対照表 | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/助成法監査 |
| 注記(セグメント情報を含む) | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/助成法監査 |
| 附属明細書 (固定資産・借入金・基本金明細書等) | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/助成法監査 |
| 財産目録 | 作成必須/会計監査人監査 | 作成必須/監査対象外(監事が監査) |
所轄庁へ提出するその他の書類
| 書類 | 大臣所轄法人 | 知事所轄法人 |
|---|---|---|
| 人件費支出内訳表 | 作成・提出/助成法監査 | 作成・提出/助成法監査 |
| 資金収支内訳表・事業活動収支内訳表 | 作成・提出/監査対象外 | 作成・提出/監査対象外 |
| 収支予算書(翌年度) | 作成・提出 | 作成・提出 |
5. 監査の流れ
- 01
予備調査
法人の状況を把握し、契約の可否を判断(新規時)
- 02
監査契約
監査範囲・スケジュール・報酬を取り決め
- 03
期中監査
内部統制の整備・運用状況を確認(期中)
- 04
期末監査
決算数値の正確性を実証手続で検証
- 05
監査報告
監査報告書を作成・提出
※ 新規にご契約いただく場合は、契約の可否を判断するため予備調査を実施します。
6. 監査手続の考え方(リスクアプローチ)
すべての取引を100%チェックすることは現実的ではありません。会計監査では、誤りの起きやすい領域に重点を置く「リスクアプローチ」という方法をとります。
- 01法人の事業内容・内部統制を理解し、誤りが生じるリスクの高い項目を見極める
- 02リスクの高い項目には、より深い・多くの監査手続を充てる
- 03限られた時間と費用のなかで、効果的・効率的に監査の信頼性を確保する
7. 監査意見について
監査の結果は、計算書類が会計基準に従って適正に表示されているかについての「意見」として報告します。
| 無限定適正意見 | 計算書類が、すべての重要な点において適正に表示されている |
| 限定付適正意見 | 一部に不適切な点はあるが、全体としては適正に表示されている |
| 不適正意見/意見不表明 | 重要な不適切事項がある/十分な監査ができず意見を表明できない |
8. 当事務所が選ばれる理由
独立・公正な監査
公認会計士として独立・公正な立場で監査を実施します。
改善につながる助言
指摘して終わりではなく、改善につながる助言を行います。
新制度・新会計基準
2025年改正の新制度・新会計基準に対応します。
※ 公認会計士法の独立性規定により、会計監査を受託する学校法人に対して、同時に税務顧問等の非監査業務を継続的に提供することはできません(兼務不可)。役割の分担についてはご相談ください。
9. 料金
監査報酬は、法人の規模・設置校数・補助金額・内部統制の整備状況などによって異なるため、個別にお見積りいたします。まずは無料相談にて、貴法人がどの監査の対象となるかの確認と、概算費用のご提示を行います。
10. ご相談の流れ
- STEP 1
無料相談
対象となる監査の種類を確認し、ご状況を伺います。
- STEP 2
予備調査・お見積り
法人の状況を把握し、監査範囲と報酬をご提示します。
- STEP 3
監査契約・監査開始
契約後、期中監査からスタートします。
まずは「対象になるのか」の確認から、ご一緒に。
「自法人が会計監査人監査の対象になるのか分からない」「新しい会計基準への対応に不安がある」といった段階のご相談も歓迎します。まずはお気軽にお問い合わせください。
※ 本資料は2025年4月施行の改正法令に基づく一般的な説明です。制度の詳細・最新の取扱いは、文部科学省および各所轄庁の公表資料をご確認ください。