開業届と青色申告承認申請書の出し方|期限・書き方・65万円控除を逃さないために
個人事業主の開業直後に必ず提出すべき「開業届」と「青色申告承認申請書」。提出期限・書き方のポイント・e-Taxでの手続き方法まで、控除を確実に取るための実務ガイドをまとめました。
最初に確認:2つの書類を同時に提出する
開業直後にやるべき手続きのうち、最優先が以下の2つです。
① 開業届(個人事業の開廃業届出書) 税務署への「開業した」という届け出。提出義務があります。
② 青色申告承認申請書 確定申告を「青色申告」で行うための申請。提出しないと白色申告しか選べず、最大65万円の控除を逃します。
この2つは同じタイミングで提出できます。特に青色申告承認申請書は期限があるため、開業直後に忘れず提出することが重要です。
提出期限
| 書類 | 提出期限 |
|---|---|
| 開業届 | 開業日から1ヶ月以内(厳密な罰則はないが早めに) |
| 青色申告承認申請書 | 開業日から2ヶ月以内(これを過ぎると当年分に間に合わない) |
青色申告承認申請書の期限が実質的な締め切りです。たとえば4月1日に開業した場合、5月31日までに提出しないと、その年の確定申告は白色申告になります。
青色申告のメリット:なぜ必ず申請すべきか
青色申告を選ぶと、確定申告時に以下の控除・特典が使えます。
| 特典 | 内容 |
|---|---|
| 青色申告特別控除(最大65万円) | 事業所得から最大65万円を控除。e-Taxで申告かつ複式帳簿が条件 |
| 赤字の繰越控除 | 損失を翌年以降3年間繰り越せる |
| 専従者給与の経費算入 | 家族への給与を経費にできる(届け出が必要) |
| 少額減価償却資産の特例 | 30万円未満の資産を一括経費にできる |
65万円控除だけで、所得税・住民税合計で年間10〜15万円以上の節税効果になるケースが多い。初年度から確実に取りに行くべきです。
提出先・提出方法
提出先は納税地の所轄税務署(住所地または事業所の管轄)です。
提出方法3つ:
- 税務署の窓口に持参(控えに受付印をもらえる)
- 郵送(控え+返信用封筒を同封すると受付印付きで返送される)
- e-Tax(電子申告)(マイナンバーカード+ICカードリーダーまたはスマホが必要)
freeeやマネーフォワードでは、ソフト内から開業届の作成・e-Tax提出までサポートする機能があります。クラウド会計を導入予定であればあわせて利用するとスムーズです。
書き方のポイント
開業届で注意する項目:
- 開業日:実際に事業を始めた日を記入(税務署に行った日ではない)
- 事業の概要:具体的に書く。「Webデザイン業」「会計記帳代行業」など
- 職業:「デザイナー」「ライター」など簡潔に
青色申告承認申請書で注意する項目:
- 簿記の方式:「複式簿記」を選ぶ(65万円控除の条件)
- 備付帳簿名:「仕訳帳」「総勘定元帳」にチェック(クラウド会計が自動生成)
- 所得の種類:「事業所得」を選ぶ(副業の場合は「雑所得」になることもあるので注意)
今日からやること
① 開業日を確認する 事業を実際に始めた日(または始める予定日)を確認。書類に記入する日付になります。
② 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」または「freee開業」で書類を作成する 両書類ともウェブで作成・印刷できます。手書きより記入漏れが少ない。
③ 2ヶ月以内に提出する 郵送・持参・e-Taxのいずれかで提出。控えを必ず保管してください。
開業直後は手続きが集中しますが、青色申告承認申請書の提出だけは期限厳守です。提出済みかどうか不安な場合や、書き方に迷いがある場合はお気軽にご相談ください。
本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。個別のご事情により取り扱いが異なる場合があります。詳細は税理士・公認会計士にご相談ください。