freeeが在庫管理に参入——中小企業・EC事業者が知っておきたいポイントを整理しました
freeeが2026年4月、「freee在庫管理」を提供開始。スマホで在庫をリアルタイム管理し、EC・複数拠点の一元管理も実現。将来的にはfreee会計との自動仕訳連携も予定。中小企業経営者・EC事業者向けに、サービスの特徴と導入効果をわかりやすく解説します。
この記事の要約
- freeeが2026年4月15日、新サービス「freee在庫管理」(旧:ロジクラ)の提供を開始
- スマホ一台でリアルタイム在庫管理が可能。EC・実店舗・倉庫を一元管理できる
- 将来的にはfreee会計との自動仕訳連携を予定。在庫→会計の作業が大幅に短縮される見込み
今回のニュース、ひとことでいうと
2026年4月15日、クラウド会計ソフトのシェアNo.1のfreeeが、新サービス「freee在庫管理」の提供を始めました。
(出典:フリー株式会社プレスリリース、2026年4月15日)
もともと「ロジクラ」という名前で多くのEC事業者に使われていた在庫管理ソフトです。ロジクラ社がfreeeグループに加わったことで、名前を「freee在庫管理」に変えてリスタートしました。
freeeといえば会計・人事労務・販売管理とバックオフィス全般を手がけてきた会社。今回の在庫管理への参入で、「モノの動き(在庫)」と「お金の動き(会計)」を一気通貫で管理できる未来に向けて大きく動き出した、というニュースです。
そもそも、在庫管理の何が問題なのか
「うちはExcelで十分」と思っていませんか?規模が小さいうちはそれでも回るのですが、成長するにつれてこんな問題が出てきます。
ミスが増える
人が手入力する以上、数え間違いや入力漏れは必ず起きます。ECと実店舗を併用していると、在庫のズレが「売り越し(ないのに売ってしまう)」や「欠品」に直結します。
キャッシュを”眠らせて”しまう
売れ残った在庫は資金が商品に固定されている状態です。過剰在庫は保管コストもかかり、手元の現金を知らないうちに圧迫します。
担当者がいないと回らない
「在庫の数量は○○さんしか把握していない」という状態は、休暇や退職のたびに業務が止まるリスクをはらんでいます。
freee在庫管理で、何が変わるか
スマホで始められる——専用端末は不要
倉庫作業向けの専用ハンディターミナルは、1台数万円〜数十万円することもあります。freee在庫管理はスマートフォンのカメラでバーコードをスキャンするだけ。初期コストを抑えて、導入したその日からデジタル化できます。パートやアルバイトの方にも使いやすい設計です。
在庫が「見える」——リアルタイムで複数拠点を一元管理
倉庫・店舗・ECの在庫数をリアルタイムで確認できます。在庫が設定数を下回ると自動でアラートが届く機能もあり、欠品を未然に防げます。「A店にはあるのにB店は切れている」といった偏りも、すぐに把握して対応できます。
EC・モールと自動でつながる——転記ミスがなくなる
Shopify・BASE・楽天市場など、主要なECカートやモールとAPI連携(システム間で自動的にデータをやり取りする仕組み)しています。どこかで商品が売れた瞬間に在庫数が全チャネルに反映されるので、転記ミスや売り越しリスクがなくなります。
| カテゴリ | 主な連携サービス |
|---|---|
| ECカート | Shopify、BASE、MakeShop、ecforce 等 |
| モール | 楽天市場、auPAYマーケット、NETSEA 等 |
| 受注管理(OMS) | NEXT ENGINE、CROSS MALL、TEMPOSTAR 等 |
| その他 | スマレジ、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便 等 |
導入した企業の声から——効果はリアルだった
アパレルブランド(7店舗)
新商品発売日に1日4,000件の注文が集中するも、導入前は担当者2〜3名で1日300件が限界でした。導入後は出荷能力が10倍に。リードタイムも5日から最短1〜2日に短縮し、数万件の出荷でミスゼロを達成。
食品メーカー(新潟県)
300種類以上の商品の有効期限をシステムで管理し、先入れ先出し(古いものから出荷するルール)を確実に実現。出荷工数・人件費を50%削減し、担当者不在でも出荷できる体制に。
化粧品メーカー(4拠点)
Excelでは手に負えなくなった在庫管理から脱却。倉庫・店舗・ECの在庫を一元管理できるようになり、店舗間の在庫移動や仕入れ判断のスピードが向上。
今後の注目ポイント——freee会計との連携が実現すると
freeeは「freee会計との仕訳自動連携を今後追加予定」と明言しています。仕訳(しわけ)とは、お金の動きを会計帳簿に記録する作業のこと。現状は在庫の入荷・出荷・棚卸しのたびに手作業で行っている部分が多く、決算処理の手間の大きな原因になっています。
これが自動化されると——
| 作業 | 今まで | 自動連携後(予定) |
|---|---|---|
| 棚卸し結果の反映 | 手作業で入力 | 自動で仕訳生成 |
| 在庫資産の確認 | 月次・決算前にまとめて | いつでもリアルタイムで |
| 決算処理 | 時間がかかる | 大幅に短縮される見込み |
経営者の方が「いま自社にどれだけの在庫資産があるか」を、いつでもリアルタイムで確認できる時代が来ようとしています。
よくある質問
Q. freee会計を使っていなくても利用できますか?
はい。現時点では在庫管理システムとして単独で利用できます。会計との自動連携は今後の機能追加予定ですので、まずは在庫管理のデジタル化から始めるのも十分ありです。
Q. ITに不慣れなスタッフでも使えますか?
スマホのカメラでバーコードをスキャンするだけの操作が基本なので、難しい操作は最小限です。チャットサポートも整っており、導入後も安心して使えます。
Q. 既存のECカートや受注管理システムと連携できますか?
Shopify・BASE・楽天市場・NEXT ENGINEなど主要サービスに対応しています。ご利用中のサービスが対応しているかは、個別にご確認いただくことをおすすめします。
まとめ
「freee在庫管理」は、中小企業・EC事業者の「在庫管理のアナログ問題」を解決する実用的なサービスです。とりわけ次のような方には、タイムリーなニュースではないでしょうか。
- ECと実店舗を並行していて、在庫のズレに悩んでいる方
- 複数拠点の在庫をリアルタイムで把握したい方
- 食品・医薬品など有効期限管理が必要な商品を扱っている方
- 決算時の棚卸し集計に毎回手間がかかっている方
在庫管理のデジタル化は、業務効率だけでなく、キャッシュフロー改善や経営判断のスピードにも直結します。「まずは現状の確認から」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
当事務所はfreee認定アドバイザーとして、クラウド会計の導入から在庫管理のデジタル化まで、皆さまの経営をサポートしています。