はじめて従業員を雇うときの手続き|3つの窓口への届出と期限を一覧で

初めて人を雇うことになった——事業が広がる嬉しい場面ですが、そこから3つの窓口へ届出をする必要があります。労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所です。どれも期限が短く、遅れると追徴やペナルティにつながることも。「何を・どこに・いつまでに」を一覧で整理しました(社長の給与がすでにあり、税務署の給与支払事務所は開設済みの前提です)。

雇う前にやる社内準備

届出の前に、社内で先に整えておくものがあります。

準備するものポイント
労働条件通知書賃金・労働時間・休日などを書面等で明示する義務(労基法)。2024年4月から「就業場所・業務の変更の範囲」なども明示事項に追加
雇用契約書通知書と兼ねてもよい。後のトラブル防止のため締結を推奨
法定三帳簿労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を用意。作成・保存が義務
就業規則常時10人以上を雇う事業場は作成し労基署へ届出が義務(10人未満は任意だが推奨)

あわせて、本人から次の書類を集めます。

  • マイナンバー
  • 扶養控除等(異動)申告書(源泉徴収の税額区分に必要。会社で保管)
  • 雇用保険被保険者番号(前職がある人)
  • 基礎年金番号(マイナンバーでの確認も可)
  • 前職の源泉徴収票(年末調整で使用)

3つの窓口への届出と期限

ここが本番です。労働・雇用・社会の各保険で、提出先と期限が分かれています。

窓口届出期限
労働基準監督署労働保険 保険関係成立届雇った日の翌日から10日以内
労働基準監督署労働保険 概算保険料申告書雇った日から50日以内
ハローワーク雇用保険 適用事業所設置届設置日の翌日から10日以内
ハローワーク雇用保険 被保険者資格取得届雇った月の翌月10日まで
年金事務所健康保険・厚生年金 被保険者資格取得届事実発生から5日以内
⚠ とにかく期限が短い 社会保険の資格取得届は5日以内、労働保険・雇用保険は10日以内のものが並びます。入社日が決まったら、初日から動き出すつもりで準備しましょう。

社会保険は「法人か個人か」で変わる

上の表のうち社会保険(健康保険・厚生年金)は、会社の形態で扱いが変わります。

  • 法人:役員報酬を払っている時点で、通常はすでに社会保険の適用事業所になっています。その場合、従業員については資格取得届(5日以内)を出すだけ。まだ加入していなければ「新規適用届」もあわせて必要です。
  • 個人事業:事業主本人は社会保険の対象外です。従業員を雇っても、常時5人以上を使用する適用業種でなければ強制加入にはなりません(飲食店・理美容などのサービス業は、5人以上でも任意)。

一方、労災保険は1人でも雇えば全業種で加入必須雇用保険も週20時間以上働く見込みなどの要件を満たす人を雇えば加入が必要です。ここは法人・個人を問いません。

まとめ

はじめての雇用でやることは、①社内準備(労働条件の明示・三帳簿)→ ②労基署・ハローワークで労働/雇用保険 → ③年金事務所で社会保険の3ステップ。5日・10日という短い期限が多いので、入社日が決まったらすぐ動くのが失敗しないコツです。手続きに不安があれば、社会保険労務士や顧問の専門家に早めに相談を。

参考情報

本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。要件は変わる場合があるため、最新は各窓口・公的機関でご確認ください。